4年ほど前の夏の朝、プランタに植えてる草たちにせっせと水をあげてたら、近辺をナワバリにしてるであろう小さい黒猫を発見。
猫派のわたしはすかさず「わ~かわいい~」と笑いかけたのだけど、返ってきたのは車の下に隠れてからの「フウゥーッ!」という唸り声。こわ~い顔してこちらを睨みつけてた。
家の前がどこかへ行く通り道になってるらしく、その後も何度も出会ったのだけど、そのたびこわい顔で睨みつけながら口元だけ何か呟いてひゅうっと走り去ってしまう。
一度我が家のプランタに乗っかろうとしてるのを見つけ「やあ」と声をかけたら「ギャア!」と飛び上がって逃げ出したけどすぐどこかへは行かず、何度かこちらを振り返ってまた口元だけの呟きをしてて、その姿が江戸っ子の「てやんでえバーロー畜生」みたいな雰囲気だったので勝手に“ハチ”と名前をつけた。
その後、休ませてたプランタを使おうと土をいじったらフンがいっぱい出てきてどうやらハチがトイレに使ってたらしいことがわかり「あの野郎!」とブチ切れたのも今はいい思い出。
いつのまにか近所のタバコ屋さんちの猫さんになっててあまり姿を見かけなくなった。
ところが今日!
朝、窓を開けて窓際でボーッとしてたら、明らかに四肢動物が歩いてる鈴の音が聞こえたので「もしや」と思いカーテンを開けるとそこには黄色い首輪をつけたハチ。
カーテンが開いた音に反応したようだけど、プランタに乗って用を足そうとしてるのではなく、以前のように通り道として家の前を歩いてどこかへ行こうとしてる途中らしかった。
「猫さんとお近づきになりたいときは目を細めるといい」は本当に効果的だった
しばらく会わない間にわたしも少しは勉強したので、敵意はないことを改めてアピール。
でも、網戸越しではハチの反応がいまいちわからなかったので、そーっとそーっと網戸もオープンしてみた。が、ハチはじーっとこちらを見たまま動くこともなく大人しくしてる。
いいぞ!これはイケる!!
目を細めたまま、小さい声で「おはよう」と言ってみた。
ハチは無反応でさっきと同じくじーっとこちらを見てたけど、そのまま待ってたら口元で小さく何かを呟いてチリンチリンチリンと走り去ってった。
呟く姿は以前の「てやんでえ~」みたいなガラッパチには見えなかったので、きっと「おはよう」と言ってくれたに違いない。むふふ。